芥川龍之介『煙草と悪魔』から考える、耳への種の収納方法

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メフィストフェレス

Joseph Keppler, Public domain, via Wikimedia Commons

 

まずは、キリスト教の悪魔といえば一番に思いつく方も多いであろう「メフィストフェレス」だ。彼は(彼という三人称でいいのか不明だが、悪魔は全てこう呼ぶことにする)は、16世紀のドイツのファウスト伝説や、ゲーテの『ファウスト』に登場する悪魔で、契約を交わした人間の願いやこの世の快楽を叶える代償として魂を奪う、あいつである。

 

いくつかの写真を確認したが、意外にも人間と同じような耳の持ち主であることが分かった。先述の「耳介」の上部が丸みを帯びておらず、長くトンガリのある形をしているようだが、これでは人間と同じではないか、と呪われない程度にこっそり異議申し立てをしたい。耳の内部に種を収納することが目的であり、耳の形状に関しては、こちらでは我関せず焉。

 

誠に遺憾ながら、一番の有力候補であったメフィストフェレスさんの耳が種の収納にあまり適していないということで、かの有名なソロモン王が使役した「72柱の悪魔」たちの名簿を確認し、いくつかご紹介しようと思う。

 

 

アガレス

Louis Le Breton, Public domain, via Wikimedia Commons

 

彼は「72柱の悪魔」の中で二番目に位が高く、「公爵」という称号を持つ悪魔だ。ワニの上に乗り、腕に大鷹を乗せた老人の姿をしているのも特徴。

 

アガレスの耳は大変収納に適しているように思える。「耳介」内部の凹凸が非常にはっきりとしているため、彼のような耳の持ち主であれば、複数種類の種も混じることなく収納した上で、至るところへと移動できるのではないだろうか。

 

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