芥川龍之介『煙草と悪魔』から考える、耳への種の収納方法

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ロノヴェ

Louis Le Breton, Public domain, via Wikimedia Commons

 

そしてお次に紹介するロノヴェは、序列27位に鎮座する怪物の姿をした悪魔である。彼の耳が種の収納に最適な理由としてはただ一つ、怪物であるので耳のサイズまで大きいのではないかという推測のもとである。確認した資料によると、人間のふくらはぎ程のサイズの耳を持っており、ロノヴェの「耳甲介」には大量の種が収納できそうである。

 

ガープ

Louis Le Breton, Public domain, via Wikimedia Commons

 

彼の写真を見つけた時、嬉しさのあまり「めちゃくちゃいい耳してるやん!」と感謝の念を浮かばせて叫んでしまったのが正直なところ。それほどまでに立派な「耳介」をお持ちの悪魔様である。頭部に人間のような存在を乗せていることから6-7m程の体長があるのではないかと推測できることから、人間の顔3個分程あるガープの「耳甲介」には、種の貯蔵庫として大いに活躍するのではないか、との結論に至った。

 

 

と、まあここまで調べた感想としては、本来の耳の役割とは音を聞くための器官であり、内部が器型で水など溜まってしまったら本末転倒という訳で、それが仮に悪魔だとしても、耳の内部に何か異物を溜めることへのメリットはないのではないか、ということだ。

 

それでもなお、『煙草と悪魔』に登場する「悪魔」が「耳の穴の中」に種を収納しておいたのだろうか。返す返すも、不明である。

 

耳にしていたイヤホンがホロリと落ちて、目が覚める。ふと気がつくと、乗車時と同じように電車内の座席に腰を下ろしていた筆者であった。(文 みきえみこ)

 

 

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