徹底検証!自宅、カフェ、電車…読書をするとき、どこが最も集中できるか?       

 

プロが教える、究極の読書環境

 

より良い読書環境の秘訣を知るべく、読書のプロであるブックナビゲーター矢島雅弘さんに話を聞いてみた。まずは、矢島さんがいつも読書をしている場所とは?

 

 

矢島「基本的には喫茶店を使用していました。静かかどうかという点では、耳障りにならない程度の音があった方が、僕は集中できました」

 

「ほどよい雑音があったほうが集中できる」というのは、アンケートでも見られた回答だ。では、集中できる環境とそうでない環境では、本の内容把握に差はあるのか?

 

矢島「読みながらメモを取っていたので、頭に入らずとも情報だけは記録できました。しかし集中できる環境で読書をしたときのほうが、こちらの気持ちに余裕がある状態なので、本に書いてあること=著者の意見・文章に対して建設的に感想を言うことができます。また読書時の感情が記憶と結びつくので、内容がより頭に入ってきますね」

 

環境などの外的要因のほか、本人の心理状態なども集中度を左右するのかも教えてください。

 

 

矢島「僕は集中力が無いタイプだと自覚しているので、急ぎの用事や別の懸念事項があるときは大いに集中を損ないました。疲れによる眠気やイラつきも、集中力を削ぐ、あるいは読後の感想に影響を与えています。具体的には、書いてあることを悪く捉えてしまうんです。

 

僕の読書法『エモーショナル・リーディング』は、著者の意見を肯定的に捉えることを重要視しているので、初読で悪感情を持たないよう、心理状態は意図的にコントロールしていました。

 

そして、対面する席に著者が座って、僕に本の内容を語ってくれているつもりで本を読みます。著者の意見を真っ向から否定したり、あら探しをしたりするよりも、まずは相手の気分を害さないような相槌をうつ感覚でメモを取っていき、自分の考えをまとめる。こういう感じで、プライベートすぎず、フォーマルすぎない、ニュートラルな雰囲気を作るようにしていました」

 

良い心理状態で読書に臨むことによって、より良い読書体験ができることが分かった。最後にブックナビゲーター・矢島さんが考える「最も集中できる読書環境」をうかがってみた。

 

矢島「急ぎの用事や懸念事項、疲労やストレスや睡眠不足もない。そんな状態で、適度な環境音があって、背伸びできる程度の空間があり、くだけすぎず、かしこまりすぎない場所で行う読書……といった感じでしょうか」

 

 

 

読書という行為ひとつをとっても、こんなにもいろんな方法があるのか、と驚くことが多かった今回の取材。ちなみに月に吠える通信編集長・コエヌマ氏は「小規模の居酒屋や焼鳥屋でホッピーを飲みながら」が最も読書に集中できるそうだ。

 

本の内容について感想を交わすのはもちろんだが、その本をどんな場所で読んだのか聞いてみるのも一興ではないだろうか? お気に入りの読書環境は、本の好みと同じくらいに多様なのだから。(文 マルス・オギドー)