【前編】最強の珍書が決定!ハマザキカク氏ら出場の珍書ビブリオバトル

 

そして最後に登場した中西さんの一冊は、新・幻聴妄想かるた製作チームによる『天国(医学書院)』。

 

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世田谷区にある就労継続支援B型事業所「ハーモニー」に通う、躁うつ病や統合失調症など心の病を抱えている人々が、自らの幻聴や妄想を札にしたかるただ。幾つか紹介したい。

 

さようなら幻覚の虫 こんにちは本物の虫

身体から虫が這い出てくる幻覚を見続けてきた方による唄。最近は虫を見なくなったと思っていたところ、部屋で本物の虫を見つけたときの心情を描いている。

人間は生きたいから 生きづらいと思うと死にたくなるんです

生きたい気持ちと辛い気持ちの狭間で葛藤する人間の、何とも切ない心情を唄っている。

若松組が毎日やってくる/若松組が床をゆらす/はやくつかまってほしい若松組

謎の組織・若松組に狙われていると錯覚している方による若松組シリーズ。どんな恨まれることをしたのだろうか? 若松組への恐怖感が滲み出ている。

 

題材が題材だけに、笑っていいのかいけないのか、最初は観客も戸惑っているようだったが、「若松組」のくだりでは大笑いが起きた。中西さんは、「病気を抱えている悲壮感や卑下ではなく、悲しみを笑いに変えようとしているポジティブな本」だと締めくくった。

 

観客投票の結果、チャンプ本に選ばれたのは安村さんの紹介した『北海道 木彫り熊の考察』!

 

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二回戦ではどんな本を紹介するのか?

 

 

安村さんは二回戦で待ち受ける珍書四天王にどのような戦いを挑むのか。後編に続く(取材・文 コエヌマカズユキ)。

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