【前編】伝えたいことがないから俳句を書く?俳人・佐藤文香さんが考える俳句の魅力とは

 

俳句は読むことがアウトプット

 

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出前授業で子供たちに俳句を教える佐藤さん。

 

ー新刊『俳句を遊べ!』の中で、アニメーション作家のひらのりょうさんと漫画家の水野しずさんが生徒として登場しています。お二人の奮闘ぶりはいかがでしたか。

 

奮闘していたというか、もともと持ってた素質が現れたという感じです。二人はやはり感覚が非常に鋭くて、私が言ったことを理解するのが早かったです。俳句の読みって、実は書くのと同じくらい難しいんですが、それほど教えなくても結構最初から読めていました。

 

俳句は読むことがアウトプットなんです。その句のどこが面白いかを探しにいかなければいけない。映画を見て「面白かったね」と感想を言い合うのとは違います。17音という短さに歩み寄って、意味や音を自分で拾う面白さを味わう、それが俳句の鑑賞です。

 

ですから、いつも自分がつくり手として考えている人ほど、俳句が読めるんですね。読めるようになると、今度はどういう仕組みを作って俳句を読ませるかを考えるので、書くこともできるんです。

 

水野さんは、私が講義で喋っている間、呼吸をするようにひたすら絵を描いていました。それが面白いムードを作っていましたね。そして鑑賞力が異常に高かったです。

 

ひらのさんは、俳句がうまくて宿題もちゃんとやってくる優等生でした。彼は飲み込みが早くて、俳句を作る技術のひとつである「取り合わせ(※)」を教えた後の句は、ちゃんとその技を使って作ってくれていましたね。(取材・文 平賀たえ)

※コラージュのように2つ(以上)のものやイメージを組み合わせることで、衝撃や新しい雰囲気を生む方法。

 

後編に続く