※前回の記事はこちら
ほかにはない生態を持つ生物を選んでいった
――2016年11月、二作目の著書『LIFE』を出版されました。執筆に至った経緯を教えてください。
出版甲子園でグランプリをとってから、複数の出版社さんからオファーをいただくようになったんです。いろいろな企画があったんですけど、文響社さんのオファーは、漫画の原作者に近い立ち位置で、前回と違った経験ができ、楽しく書けそうだと思ったので、お願いすることに決めました。
――『LIFE』では「戦略と習慣」をテーマに、リスの生態から長所の探し方を学んだり、ウシの生態から人との結びつきの大切さを再認識したり、生活に役立つヒントが書かれています。『LIFE』に収録した生物は、どんな基準で選んだのでしょう?
最初はおもしろい生態や、ほかにはない生態を持っている生物をひたすらノートに書き連ねていきました。そのあとで、なにか人間に生かせる教訓がないか考え、どの生物を使うか選んでいきました。なので、教訓はあとまわしで、最初に生物をどんどん考える方式で選びましたね。
――本書に収録できなかった中で、おもしろい生態を持った動物はいますか?
ウォンバットです。人と接していかないとうつ病になってしまうという珍しい生態をもっているんですけど、今回『LIFE』に採用したほかの生物の生態と少し被ってしまう部分があったので、残念ながらボツになってしまいました。
――今回はマンガ家の麻生羽呂さんとの共著になりますが、仕事をするうえで意識したことはありますか?
うーん……。私と麻生さんの間に編集者の方がいて、その方を介してやりとりをするという形だったので、一緒に仕事をしたという感覚はそこまで大きくはなかったです。ただ、今回私は本文の解説と豆知識のほかにもマンガのなかの文章も考えていたので、麻生さんが書きやすいような構図を作るよう心掛けてはいました。