【後編】本好きの聖地!「紀伊國屋新宿本店」にまつわる8つの謎を、中の人に聞いてみた

 

※前回の記事はこちら

さて、謎解きも後半戦。残る疑問も解決して、紀伊國屋新宿本店を丸裸にしちゃいましょう!

 

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紀伊國屋の謎5「地下のレストラン街で、店員さんのオススメはどこ?」

 

腹が減っては戦ができぬ。仕事もできぬ。紀伊國屋新宿本店の地下にはレストラン街があり、きっと書店員さんたちも行きつけのはず。数ある飲食店の中で、どこが人気なの?

 

—地下のレストラン街でオススメの店舗はどこですか?

 

西根さん「どの店舗も全部オススメですが、カレー屋の『モンスナック』さんは週1回は行きますね。エネルギーが欲しい時はカツカレー、早くすませたいときにはササっと出てくるポークカレーを注文しています」

 

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元祖スープカレーのお店・モンスナックさん

 

 

松倉さん「私は『モンスナック』さんだとダルカレー(豆のカレー)が好きです」

 

佐藤さん「『モンスナック』さんはスープカレーとは名乗ってないけど、スープカレーがはやる前からサラサラのカレーを出していました。カウンターのお店なので一人の方でも入りやすいですよ。

 

私は、できたばかりの『すし三崎丸』さんがおすすめです。おどろくほど本格的なにぎり寿司を、安い値段でいただけますよ」

 

取材後、実際にモンスナックに行ってカレーを食べてみたのだが、確かに美味だった。日本の家庭的なカレーとは異なるが、どこか懐かしい味にスプーンが進み、たちまち完食。豊富なメニューを全制覇したくなるほど、病みつきになりそうだった。

 

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こちらがダルカレー

 

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負けず劣らず美味なシーフードカレー

 

 

紀伊國屋の謎6「本のコンシェルジュってどれくらい本に詳しいの?」

 

紀伊國屋新宿本店の一階にある、「本のコンシェルジュ」。本に関しての案内を行う、総合窓口のような役割らしいが、どのような業務を行っているのだろう? そして、コンシェルジュはどのくらい本に詳しいのだろうか?

 

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紀伊國屋新宿本店の一階にある本のコンシェルジュ

 

—「本のコンシェルジュ」ができたのは比較的最近ですよね?

 

松倉さん「2012年3月の終わりにちょうどコンシェルジュというものができて、最初は2階にカウンターがありまして、昨年1階に場所が移動しました」

 

 

—コンシェルジュさんは、どのくらい本に詳しいんでしょうか?

 

松倉さん「当店のコンシェルジュ業務の基本は総合案内ですが、自分がこれまでに担当してきたジャンルについてはある程度お勧め本を紹介することはできると思います。私は文芸書や児童書などを担当し、今も好んで読んでいますが、自分が担当したことがないジャンルに関しては、各階の棚の担当者と相談しながらのご案内になります。

 

各売り場に本を仕入れて棚に陳列している、ジャンルごとのスペシャリストがいます。私たちコンシェルジュは、この複雑な館内全体の総合案内として、自分だけで解決できないお問い合わせを受けた時は、各階の担当者にお客様を繋ぐ役割を担っています」

 

 

—これまでに、何かむずかしい依頼はありましたか?

 

松倉さん「多いのは、『入院している人にお見舞いに持っていきたい』というような、ご本人ではない方への贈り物などですね。その方の人となりが分からないような場合だとお勧めしにくいです。

 

私たちとしては、『(本を探している本人が)いままでにどんな本を読んでおもしろかったですか?』という質問から始めて、そこから別の作家さんを勧める、という方がご紹介しやすいですね。

 

 

—本にどれくらい詳しいのか、挑戦状を叩き付けてくるお客さんはいましたか?

 

松倉さん「私が担当したわけではないのですが、すでにご自身で買った本についていろいろ質問して、その本を当てられるかどうか、コンシェルジュを試すような方はいたようです」

 

 

—本を探してほしい、という方もいらっしゃると思うのですが、タイトルが曖昧な状態でも探し出すことができるのですか?

 

松倉さん「何で得た情報かというのが分かれば、例えば『テレビで見た』などであれば調べることはできますね。『本屋にあったのを見た』というのであれば、そのジャンルに詳しい担当に聞きます。あとは、『何色の表紙か』というのも、担当者であれば見つけ出すことができる場合もありますよ。

 

これからの季節ですと、『読書感想文を書くには何がいいですか?』というような質問もふえてきますね」

 

 

*そんなわけで、コンシェルジュ・松倉さんに本をお勧めしていただきました! 好みを伝えた上で、どのような本を勧めてくれたのかというと……

 

コエヌマ

「一昔前のものが好き。安部公房のようなちょっぴりSFチックな作風や、中上健次の重厚な作風がとくに好き。現代作家でのお勧めは?」

 

→大江健三郎、中村文則の『教団X』

 

マナ・コノ

「純文学が好き。川上未映子、町田康のような、ちょっとひねくれてる最近の作家でお勧めは?」

 

→又吉直樹『火花』

 

 

松倉さんは仕事と子育てでお忙しい中、合間をぬってかなりたくさんの本を読まれているそう。松倉さんに会ったら(最近は、スタッフの教育など他の仕事もあって、なかなか会えないようですが)、みなさんもぜひ一度、本のお勧めを聞いてみてはいかがだろうか?

 

 

紀伊國屋の謎7「4階までしかないエスカレーター」

 

エスカレーターを利用して上の階を目指したのに、あれ? なぜか4階で終わってる! 紀伊國屋新宿本店の売り場は8階まであるはずなのに、なぜエスカレーターは4階までしかないのだろう。

 

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4階で急に途切れてしまうエスカレーター。その理由は?

 

 

—売り場は8階まであるのに、エスカレーターは唐突に4階で終わっていますよね?これはなぜなんでしょうか?

 

西根さん「51年前にこのビルができたときには、2階から4階までしか本の売り場がなかったんです。(※5階から9階までは事務所やテナントが入っていた)それでエスカレーターも4階までしかない、ということです。

 

その後、出版点数が格段に増えたので、どんどん5階、6階と売り場を拡張していくことになりました。7階8階ができたのは比較的最近ですね。下りを作るかとか、ほかの階にも作るかなどはこれまでに何度も打診しましたが、それはこの建物の構造上できないんです」

 

 

なるほど。書店の増床の歴史がエスカレーターにあらわれているそうだ。これからは、「昔の人はここまでしか来れなかったんだなあ……」と、過去に想いを馳せながらエスカレーターに乗ってみるのもいいかもしれない。

 

 

紀伊國屋の謎8「ホールとフォーラム(画廊)」

 

本屋さんでありながら、紀伊國屋ホールやフォーラムを有し、紀伊國屋演劇賞を主催。様々な文化活動を行っている理由について聞いてみた。

 

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紀伊國屋ホールの公式サイトのスクリーンショットより

 

 

—本屋さんなのに、ホールやフォーラムがあるというのも変わってますよね。

 

佐藤さん「なぜ本屋なのにフォーラムやホールがあるかといいますと、創業者である田辺茂一が、文化や芸術にすごく興味や愛着があって、文化・芸術の情報発信の場としてこの店舗を使いたかったからなんです。それで本屋とは関係ない施設を作っていたのではないでしょうか」

 

西根さん「フォーラムになったのはここ最近で、創業当時から数年前までは画廊だったのです。紀伊國屋画廊では安野光雅さんや四谷シモンさんらも、頻繁に展示を行っていたんですよ」

 

ただ本を販売するだけでなく、長きに渡って文化や芸術の発展に貢献し続けている紀伊國屋さん。だからこそ、本屋さんという枠を超えて、多くの人々に愛されているのかもしれません。

 

 

中の人にお話を聞いてはじめて、紀伊國屋新宿本店にまつわる謎の多くは、紀伊國屋の長い歴史に由縁がある、と解明することができた。これまで抱いていたモヤモヤが、かなりスッキリしたぞ。ありがとう、紀伊國屋。ありがとう、中の人。

 

中の人の親切対応に非常に心打たれたので、筆者は今後とも紀伊國屋贔屓でいこうとおもいました。みなさんもぜひ、紀伊國屋を訪れた際には、館内をぐるっと見回して「むふふん、私はこの謎について知ってるもんね」と悦に浸ってみてはいかがだろうか(取材&文 マナ・コノ)。

 

 

紀伊國屋書店HP

https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/

 

 

「アメトーーク」ロケ敢行記念 「読書芸人」おすすめ本フェア開催中

 

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又吉直樹さん・光浦靖子・若林正恭さんの「読書芸人」が選んだそれぞれ10点ほどの書籍を、番組内では詳しく触れられなかったものも含めてすべて揃えています。

 

日時

2015年 6月 19日 ~ 7月 22日(延長の場合あり)

 

場所

紀伊國屋書店 新宿本店 2F