柴田元幸、岸本佐知子ら名翻訳家たちも絶賛の作品がズラリ
4月19日(日)、新宿紀伊国屋サザンシアターで第一回「日本翻訳大賞」受賞式が行われ、選考委員による座談会や、大賞受賞者による作品の朗読などのイベントが行われた。
「日本翻訳大賞」は、2014年の1月から12月末までに出版された新訳の本の中から、最も称賛したい一冊に送られる賞だ。
記念すべき第一回の大賞は、「エウロペアナ:二〇世紀史概説」(白水社)と「カステラ」(クレイン)の2作品が受賞。「エウロペアナ:二〇世紀史概説」で翻訳を担当した阿部賢一、篠原琢氏と、「カステラ」のヒョン・ジェフン、斎藤真理子氏が登壇した。
また読者賞には「ストーナー」(作品社)が選ばれ、同作の翻訳を担当し、昨年逝去された東江一紀氏の代理人として、訳者あとがきを担当した布施由紀子氏が出席した。
今年設立したこの賞の発起人は翻訳家の西崎憲氏。「翻訳という素晴らしい技術に対して、表彰する場が少ない!」とツイッターで声を上げたのが始まりだ。
本当に優れた作品を選ぶために、出版社とのタイアップではなくクラウドファンディングで支援を呼びかけ、目標金額の70万円を初日に突破。最終的に約340万円の支援が集まり実現した。
運営委員にゲームデザイナーの米光一成氏と編集者の平岩壮悟氏が加わり、選考委員として西崎氏を含めた金原瑞人・岸本佐知子・柴田元幸・松永美穂氏の五名の翻訳家が名を連ねた。
第一回日本翻訳大賞では、一般の読者が推薦した作品の中から10位までを選出し、各選考委員が選んだ5作品を加えた17作品(10位が3作品あったため)が二次選考を通過。
最終的に絞った5作品の中から大賞に選ばれたのは翻訳に10年かかったという「エウロペアナ:二〇世紀史概説」(チェコ)と、選考委員のうち4名は知らなかったという「カステラ」(韓国)。非英語圏の作品の面白さにスポットが当てられた結果となった。