4人目:マサシ(21歳/日本・大阪)
「関西外語大学の4年で、大阪に住んでいます。出身は富山です。大学の文化祭期間を利用して一人旅に出ました。海外一人旅は2度目です。1年前、オーストラリアに7ヶ月住んでいたときに、最後の1ヶ月でパース以外の街を全て訪ねました。今回は4日間の旅で、明日帰国する予定です」
4日間のために本を2冊持ってきたという。これは本好きに違いない。
持ってきた本1冊目
「悪人のススメ」川北義則著
出版プロデューサー、生活経済評論家として執筆や講演なども精力的に行う著者による、真の強さを身に付けたい男のための指南書。「できるヤツに善人はいない。時代をつくるのは、いつも「悪人」である。賢さとしたたかさ、そして強さがなければ、現代社会は生き残れない。」悪に学び、勝者になるための58の流儀を収録。
「本はいつもメルカリでパッと買うんです。この本は最近買ったので持ってきて、行きの飛行機で読み終わりました。『悪くなれ』と言っているわけではなくて、『強くなれ』と書いてあります。優しいだけではダメだと。僕は優柔不断なところがあるのですが、これを読んで男らしく強く生きようと思いました」
持ってきた本2冊目
「人生の『質』を上げる 孤独をたのしむ力」午堂登紀雄著
経営・投資コンサルタントとして活躍する著者による、10万部突破のベストセラー。「誰かとつながれる『常時接続時代』だからこそ、ひとりの時間を大切に。」自分が本当に大切にしたいものに気づき、正直に生きるための方法を提案。内省、人間関係、価値観、行動、読書、家族の6章からなる。
「前に一度読んで、好きな本なので持ってきました。僕には『他人に依存したくない』という考えがあって。人と一緒じゃないといけない、というのもあまり好きじゃないんです。以前は人目を気にしたりするところがあって、そういう変な自意識が嫌で、変えたいと思って買いました」
時に孤独を感じることもある一人旅に、ぴったりな本ではないか。
「僕は昔から結構寂しがりやなので(笑)。そういうのもあって買ったんです。思い悩んだりするのって、すごく時間の無駄だなと。いろいろな本を読んで、悩むよりも目標から逆算して建設的に行動することが大切だと知り、そうするよう意識しています。感情に流されないことですね」
普段はどのような本を読むのだろうか。
「堀江貴文さんなどの自己啓発本をよく読みます。自分に足りていない部分を足したいと思って、いろんな本を読み漁っているところです。本田圭佑さんの格言なども好きなのですが、どれも言っていることは同じなんですよね。だから最近は、もっとアウトプットの方もしていかなければいけないなと思っています」
読書の習慣は昔から?
「いえ、読書を始めたきっかけは親友と聞きに行った成功者の講演会で、それまでは全くしていませんでした。講演者の考え方がポジティブで、バイタリティに溢れていて魅了されました。
その方に薦めてもらった成功法則の本を読んで、大きな衝撃を受けたんです。本って自分の知らなかった価値観や考え方をこんなに学べるものなんだと、それをきっかけに読むようになりました。去年の10月からです」
人との出会いと同様、本との出会いが人生を変えることもある。
「本を読んで考え方を知ることと、それをどれだけ習慣として生活に落とし込めるか。意識的に取り組めるかが大切ですね。今までの習慣をパッと変えることは難しいけれど、意識するだけでも違うだろうと。今は生活の中に落としこもうとしているところです」
そもそも、考え方や習慣を変えたいと思ったのはなぜだろう。
「僕の生まれ育った家庭には、自分の可能性を否定されるようなところがあったんです。母子家庭だったので昔気質の祖父が父代わりだったのですが、『男は家を建てて家族を養ってナンボ』と。それを落とし込まれて育ちました。
『サッカー選手になりたい』と言うと怒られたり、高校時代の部活も『それで食っていくわけじゃないだろう』と止められたり。人生を楽しむというよりは、生きるために生きるという考え方でした。でも人との出会いや読書を通して、自分の目標を最初から諦めてはいけないなと思ったんです」
子供時代に植え付けられた考え方は根強いが、彼はそこに挑もうとしているのだ。現代風の洗練されたルックスの彼だが、電子書籍は読まないのだろうか?
「読みません。電子書籍は逆に面倒に感じて。スマホやタブレットだとYouTubeやLINEを開いてしまうので、集中できないんです。僕は収集癖があるので、紙の本の方がコレクション感があって好きです。読んだ後も手放さずに集めています」
そんな彼にとって本とは?
「人生の教科書です。成功者が書いていることだから信頼も置けます。こういうことは、学校では教えてくれませんよね」
スマホに残しているという読書メモも見せてくれたマサシ。自分をしっかりと客観視し「これからは個の時代」と語る彼の未来は、きっと明るい。