甲子園と聞くと、多くの人が高校野球を思い浮かべるだろう。野球に青春の全てを注ぐ高校球児たち。彼らが汗や泥にまみれて白球を追い、喜びや悔しさにむせび泣く姿は、見る者の心を熱くする。
ところで、出版の世界にも甲子園があることをご存じだろうか?その名も「出版甲子園」。出場する学生たちは、高校野球に劣らない熱気を放ちながら、毎年熱い青春のバトルを繰り広げている。
「出版甲子園」とは、学生による出版企画のコンペティションイベントだ。出場資格は学生であること。応募者は本にしたい企画をWEBサイトから応募し、三度の厳しい審査を勝ち抜くと決勝大会へ出場することができる。決勝当日は編集者、書店員、出版プロデューサーたちの前でプレゼンを行い、グランプリ、準グランプリがそれぞれ決定するのだ。
編集者の目に留まった企画は書籍化することもあり、実際にこれまで24冊(2014年11月時点)が発売されている。
その出版甲子園の第10回大会が、2014年11月30日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催された。今回、133通もの応募の中から、決勝大会に残った企画は以下の通り。
決勝出場企画一覧
1.きちんと健康、ササッと作れる!お手軽ひとりごはん
2.教科書を読んでもわからない!日本史の“ハテナ”を解決する本
3.孫子プレゼンテーション
4.学生運動から「学生の運動」へ――1万枚のビラから探る、「大学生」の半世紀
5.ガールズイングリッシュ
6.父が自殺を図った日
7.No.1スカウトマン直伝!20歳のためのコミュニケーションの教科書
8.日韓関係と憲法はなぜつながるのか
9.風俗嬢が考えるこれからの教育
10.恋愛昆虫図鑑 |
審査員を務めるのは、ベストセラーを世に送り出してきた編集者や出版プロデューサー、書店員たち。プロの編集やライターであっても怖気づいてしまうような、そうそうたる面々が顔を揃えている。