「紅茶=女性的」のイメージはどこから来たのか?歴史を紐解くと見えてきた意外な事実

紅茶という飲み物に対し、「男性的」「女性的」のどちらをイメージするだろう? おそらく、多くの人が「女性的」と答えるのではないか。筆者は紅茶がとても好きなのだが、人に伝えると大体「お洒落だね」「優雅だね」といった反応が返ってくる。一番多いのが「男の人で紅茶が好きって珍しいね」で、「男らしいね」と言う人には出会ったことがない。

 

「紅茶が好きな男性は珍しい=紅茶は女性的」はなぜなのか。そのイメージは一体どこから来たのか。『図説 紅茶 世界のティータイム』という本から、紅茶と女性の関係を読み解いていこうと思う。

 

目次

紅茶の起源は紀元前2700年の中国

紅茶というと、イギリスやヨーロッパ諸国のお洒落なアフタヌーンティーを想像する方が多いと思うが、植物としての茶(学名カメリア・シネンシス)の起源は中国の雲南省と言われ、紀元前2700年ころに人類が接触した記録が残されている。

 

といっても初めは生の葉を薬として食べたり、すり潰して飲んだりしていたようで、葉を加工してお茶として飲むようになるのはしばらく経ってから。

 

飲料として飲まれるようになった茶は中国全土に広がり、8世紀には日本にも伝来する。後の15世紀の大航海時代を経て東西の交易が深まると、東洋独特の飲み物として西洋諸国からの人気が高まる。

 

このころはまだ紅茶ではなく、今の緑茶に近い飲み方がされていたそうだ。現在は西洋的なイメージの紅茶が、実はアジア諸国への憧れとして始まったものだったことはとても興味深い。

 

もともと紅茶は男性文化だった?

紅茶の歴史を語る上で欠かせないのがコーヒーだ。紅茶の国イギリスで初めて茶が広く認知されるようになったのは、奇しくもコーヒーが提供される場所であった。1657年、ロンドンにあった「ギャラウェイ・コーヒーハウス」だ。

 

コーヒーより一足遅く、茶は東洋の神秘薬として紹介されるようになった。コーヒーハウスは現代の喫茶店の先駆けのような施設で、さまざまな人々が集い社交の場として活用されていた。入店は男性のみに限られていたので、この時点では「紅茶=女性」というイメージはなく、むしろ茶は男性の文化だったのだ。

 

だが、東洋の香り漂うオリエンタルな飲み物である茶は、宮廷の王妃たちの目に留まり愛飲されるようになる。その影響もあって、1717年には家庭用のお茶の小売り販売が始まる。

 

1730年ころには、コーヒーハウスに代わる新たな社交の場として「ティーガーデン」が登場。「ティーガーデン」はロンドン郊外に作られ、広大な庭園を散策しながら喫茶を楽しむ施設で、女性や子どもも入ることができた。

 

美しい植木や彫刻、人工の池などが作られ、庭園の中には「ティーハウス」と呼ばれる屋根付きの建物が建ち、そこでバター付きのパンや軽食などと一緒に茶やコーヒーを楽しんだ。その文化は市井の女性たちから人気を得て、家庭でも同じように喫茶を楽しむ文化が広がった。

 

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