【7月15日締め切り】『第一回 人はなぜ本を返さないのか?文学賞』開催のお知らせ

 

太陽が眩しかったから。
ノーベル賞作家アルベール・カミュの小説「異邦人」の中で、主人公ムルソーは、人を殺した理由についてそう言及した。

 

そもそも、社会や人間は不条理なものである。 だからその行動・決断に理由もないし、存在意義もない。 あるがまま、すなわち実存のみが真実なのだ――。

 

そんなムルソーの思想に基づくならば、「プチ文壇バー 月に吠える」で本を借り、一向に返しに来ない人々の行動や思想に対して、返却や裁きを求めるのは正しい行為ではない。

 

借りられた本および借主は、返却の義務からはもちろん、モラル、常識、信頼といったあらゆる観念から解放され、ただただ存在しているに過ぎないのである。

 

しかし、一縷の正義をそこに求めるのは、果たして罪なのだろうかー。

 

* * *

 

月に吠えるで、初めて本の借りパクをされたのは、忘れもしない、オープンして1か月が経った頃。沢木耕太郎氏の「深夜特急」全6巻を、グラマーな肉体をニットに包んだ女性に借りパクされた。

 

それでも月吠えでは性善説を信じ、一定のルールを設けたうえで、気前よく本を貸し続けた。本好きに悪い人はいないと信じ、証明したかったのだ。結果、お店の本はどんどん減っていった。

 

いまだに返ってきていない本の中から、ごく一部であるがタイトルを挙げてみる。

 

「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」
「キリンの子 鳥居歌集」
「その女アレックス」
「眼球譚」
「コンビニ人間」
「死んでしまう系のぼくらに」etc…

 

ちなみに、未返却のタイトルを全て挙げると、50はゆうに超えるだろう。そろそろ、限界である。しかし、感情に任せて声を荒げるのは紳士的ではない。我々は文壇バーである。この連鎖を止めるために、以下の通り、文学賞を開催する。

 

本を借りパクしたことがある方もない方も、借りパクされたことがある方もない方も、ぜひふるって応募いただきたい。

 

目次

第一回 人はなぜ本を返さないのか?文学賞

 

■募集内容

「貸した本が返ってこない(返していない)」という場面もしくは設定が作中で使われている小説

 

■枚数

400字詰め原稿用紙換算2~5枚程度

 

■応募資格

不問

 

■賞金

大賞1本 1万円

優秀賞3本 本1冊(月吠えが借りパクされたものと同タイトルの中からランダムに決定)

 

■締め切り

2017年7月15日(土)

 

■審査員

月に吠えるスタッフ

 

■応募方法

テキストかワード形式で、電子メールにて応募ください

※名前(ペンネーム可)、電話番号を明記

※著作権は著者に帰属しますが、主催者が受賞作品の紹介や使用をする場合、許可するものとします

 

■応募先

nazehon01★yahoo.co.jp ※★を@に変更ください

主催 プチ文壇バー月に吠える

 

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