ヘイト本は出版業界のセオリーに乗っ取って作られている?
それを受けて木瀬氏は、出版業界は二つの法則で動いていると指摘する。一つは羊頭狗肉。二つ目は柳の下にドジョウが三匹、ではなく百匹いる、ということ。
木瀬「そういう意味でいうと、『呆韓論』も羊頭狗肉ですよね。中身は非常にまっとうで立派な本であると。それに『呆韓論』と、韓国のメディアが言ってもいない言葉を押し付けて売る。これは出版業界のセオリーに乗っ取ったものと見ていいんですかね?」
花田「本のタイトルはアイキャッチャーとして必要です。けれど、本というものは中身で判断するんですよ。タイトルだけ見て判断するんですか?」
木瀬「本の価値は中身で決まります。ただヘイト本の価値は、タイトルでこそ決まります。タイトルのみで決まると言い切っていいです」
花田「中身も読まずにただ言われたんじゃ話ができないんですよ。中身を読んでくださいよ! 中身を読んで、ここがおかしいという反論には私はそれなりに答えたいと思います」
木瀬氏は構わずに2005年のWILLの表紙を取り上げ、「中国・韓国は歴史的痴呆症だ」というタイトルにかみつく。
木瀬「これは例えば、毛沢東やキム・デジュンと書いてあればレイシズムではないですよね。だけど、『中国・韓国は歴史的痴呆症だ』と書いています。これはレイシズムです。同じく05年、『人を喰う中国人に喰われるな』とありますが、これが『人を喰うコーン・リーに喰われるな』だったらレイシズムではないですね。だけど中国人と書いているのでレイシズムです」
それに対し、またしても「中身を読んでください」と反論する花田氏。じゃあ中身はどんな内容ですか? という追及に、「10年前のことなど覚えていない」と回答する。
本の価値は中身で決まるという花田氏と、ヘイト本に関してはタイトルのみで決まるという主張で激突する木瀬氏。主張は全くかみ合わず、平行線をたどったままだ。討論はどのような方向へ進むのか?
後編へ続く。(取材・文 コエヌマカズユキ)