そんなことを話しているうちに、いよいよカレーが運ばれてきた。そーたが頼んだ“でっけえの”がコチラ(※あまりに汚いのでモザイク処理してあります)。写真ではわかりづらいが、普通のカレーショップの大盛りくらい余裕である。
みもりん&コエヌマの“ちっせえの”はこんな感じ。皿がこういう形なのはともかく、縁にまできっちり具を飛ばしてくれている心配りに愛を感じる。
そーた「…い、いただきます」
さすが罰ゲームの当事者、潔く口に運んだのは良いが、次の瞬間!
そーた「うぇぇ、まじー!!!!!!! 吐く、吐いちゃうよ!」
それを聞いた店長から「不味くするために頑張ってるんだから、当たり前でしょ」ともっともなツッコミ。「出版甲子園で勝てば良かったんだよ!」との正論に、そーたも黙るしかなかった。
しかし、あまりに苦しそうな様子を見かねたのか、店長が「これを食べればカレーがすごく食べやすくなりますよ」と勧めてきたのが、ホンオフェ。
韓国料理でエイの刺身を発行させた食品なのだが、実は強烈なアンモニア臭が最大の特徴。世界に二番目に臭いと言われているのだ。カレーが食べやすくなるというのは、毒を以て毒を制す、ということか。
一口食べた瞬間、具合が悪くなった様子のそーた。
一方、みもりんは意外と大丈夫なよう。「栃木に“しもつかれ”っていう、ゲ○カレーって呼ばれてる郷土料理があるんです。それみたいです」と言いながら、“ちいせえの”を完食。紙ナプキン代わりのトイレットペーパーで口をふきふき。
コエヌマも難なく完食。一人取り残されたそーたは、「え~、何で食えるの!? おかしいでしょ!」と騒ぎ始める。
そーた「もう食いますよ! 行きますよ!」
そう言ってかき込む。かき込む。かき込む。そして何とか完食。
この後、“でっけえの”を完食した証に、写真を撮られることに。完食の証であるカードももらってご機嫌だ。
こうして、罰ゲームは終了したのだった。
罰ゲームの終了は、同時に「月子を甲子園へ連れてって」の終わりでもある。今年の6月からスタートしたプロジェクトは、4か月強をもって幕を閉じた。ゲームセットである。本当にお疲れさまでした!
結果的に、目標であった決勝進出は叶わなかったが、二人の意思を継いで、来年は別のメンバーが本企画に挑戦してくれるだろう。ぜひ期待していただきたい。(取材・文 コエヌマカズユキ)
出版甲子園を終えて
<そーた>
今回出版甲子園に参加し、またその経過を連載という形で記事にしていただくことができ、本当に貴重な経験をさせていただきました。正直、案自体は面白いのができたとおもっていたので、企画が通らなくてとても悔しいです。やはり評価される企画は並大抵の準備と情熱がなくてはダメなんだなと痛感しました。
来年、また出版甲子園に企画を投稿するかどうかわかりませんが、毎年この月に吠える通信から挑戦者が現れてくれたら面白いと思います。その時、僕たちの苦闘が少しでも参考になれば幸いです。
<みもりん>
出版甲子園なんてあるんだ!という驚きと、面白そうという好奇心でのってみた企画。ところが、しっかりと腰を据えて机に向かって考え始めると……。
「どうしよー???」と焦りながら絞りだして考えたものの、あっという間に一次で落選してしまいました(それなのに、がんばってたそーたの方が、私よりも罰ゲームがひどいという。笑)日々、妄想を膨らませて物語を考えたりしていますが、〝学生である自分だから表現できて、みんなが読みたくなるもの〟そして、〝自分が書きたいこと〟というのは、突然ひらめくものではありませんでした……
とはいえ、自分で出してみた企画は、書いてみたいことではあったし(だから、書くぞ)、コエヌマさんやそーたと話したり、出版甲子園の方にコメントを頂けたのは、本当によい経験でした。ここまで読んでくださった皆様、企画を運営してくださったコエヌマさん、共に戦ったそーた、本当にありがとうございました。来年の挑戦者は、うんこカレーなんぞを食べないですむよう(この日の一週間前から、予行演習としてカレーを毎日食べました。笑)、お祈りしております。