【前編】本好きの聖地!「紀伊國屋新宿本店」にまつわる8つの謎を、中の人に聞いてみた

 

紀伊國屋の謎3「なぜお釣りをトレイに置くの?」

 

これは、編集長コエヌマが日々抱いていた疑問だ。紀伊國屋では、おつりの小銭をトレイに乗せて返すのが常である。

 

モテない学生時代を送っていたコエヌマは、女性店員にそのような返し方をされたとき、「この女性は僕の手を触るのが嫌なのでは……」と妄想し、勝手に落ち込んでいたらしい。実際はどうなのだろう?

 

 

—紀伊屋さんでおつりをもらうときに、手渡しでなくトレイに入れて渡すというのは何か意味があるんでしょうか?

 

松倉さん「トレイを使うのは基準になっていますね。お札は手渡しですが、小銭は一目でいくらあるかわかるようにトレイにしています」

 

西根さん「歴史的にひもとくと、私が入社したとき、30年前ですが、出納課というものがあったんです。その当時は出納課の人が奥でレジを打ち、売り子がフロントでお客様にお会計をする、という形にカウンターの仕事分かれていました。

 

その頃の出納課の人は本当に神業のように、たくさんの売り子を相手に、正確にトレイにお金とレシートを入れて渡してくれました。そのトレイが使われ続けているんです。

 

それで、現在では、お札は数え間違いがないように手渡し、小銭は釣り銭用の機械から出てくるので、レシートと一緒にトレイに入れてお返しするというふうに統一しています」

 

佐藤さん「あとは、手に直接もらうのを嫌がるお客様もいますからね」

 

なるほど、決して手を触りたくないからではないんですね! 良かったね、編集長!

 

 

紀伊國屋の謎4「なぜ5階にだけショッピングカートがあるの?」

 

紀伊國屋新宿本店には、5階の医学書専門コーナーにだけ、ショッピングカートがある。しかし、ほかの階には無いのに、なぜ5階にだけ?

 

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ほかの階には無いのに、なぜ5階だけに?

 

 

—5階の片隅にショッピングカートを見つけたのですが、これは何なのでしょう?しかも、5階にしかないですよね?

 

西根さん「よく気がつきましたね、これは相当よく見ていないと普通は気付かないですよ(笑)。医学書は分厚くて大きい本が多いので、お客様に楽をしていただきたいと思ってショッピングカートを置いています。

 

1〜3階は、お客様が多くて手狭になってしまうので、カートを置けないんです。なので、この5階のカートはほかの階への持ち出しは禁止させていただいています」

 

ここでもお客様のことを第一に考える、紀伊國屋の精神が表れていたのだ。医学書をお求めの方は、ぜひ活用していただきたい。

 

 

残る4つの謎についても迫ります。後編に続く(取材&文 マナ・コノ)。

 

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