
【第3回】夏さん風・長葱のマリネ/儚い羊たちの晩餐(米澤穂信)
先日、『満願』で山本周五郎賞を受賞した米澤穂信。篤学さをうかがえる精緻な文章が魅力の著者は、食欲そそる料理を物語に仕込む名人でもある。例えば、短編「儚い羊たちの晩餐」では富豪相手に贅を尽くした料理を作る厨娘 …
「小説という名のレシピ本。」のカテゴリー
先日、『満願』で山本周五郎賞を受賞した米澤穂信。篤学さをうかがえる精緻な文章が魅力の著者は、食欲そそる料理を物語に仕込む名人でもある。例えば、短編「儚い羊たちの晩餐」では富豪相手に贅を尽くした料理を作る厨娘 …
初恋に付き物の苦い思い出。今ならエゴが相手を傷付けていたのだとわかっても、自分しか見えていないあの時期にはなかなか気付けない……。藤谷治『船に乗れ!』のサトルと南もそうだった。 音楽科の高校に …
小説に目を見張るレシピが隠れていることがある。豊かな彩り、食欲をそそる香り、そして口に広がる旨味……。本にあるのは文字だけなのに、読者は既に知ってしまっている。料理の色や香り、そして味までも。 …