銀座の文壇バーのママとオンライン飲みをしたら、素敵すぎて今すぐ飲みに行きたくなった。

 

銀座のママから見たゴールデン街

名門クラブ「眉」から独立し、「ザボン」をオープンさせたばかりの素子ママ。3坪の小さなお店からスタートした(「ザボン」HPより)。

 

素子ママ:コエヌマさんのお店は、どういう方がいらしてるんですか?

 

コエヌマ:うちは若い人が多いです。編集者も来てくださいますし、ライターや作家の方も。出版社に就職したい大学生もいますね。そういう人同士が交流できる場になれば、と思ってお店をつくったんです。ママは、ゴールデン街には行かれたことありますか?

 

素子ママ:いえ、全然行かないです。と言うか、連れてってくれる人がいないんですよ。お店が終わると、お客様は若い子を連れて新宿に行くのですが、「ママはお留守番」って誰も誘ってくれないの(笑)。

 

コエヌマ:(笑)。どんなイメージがゴールデン街にあります?

 

素子ママ:今は外国人のお客様が多くて、国際的じゃないんですか。

 

コエヌマ:そうですね。今はコロナの影響で外国人がほぼいないんですが、ちょっと前まで観光地としてすごくにぎわっていました。でも昔は、文化人が集まる飲み屋街だったそうです。僕はすごく本が好きで、一時は小説家になりたくて。なのでゴールデン街は、中上健次さんや田中小実昌さんとか、そうそうたる作家たちが飲んでらっしゃった街ということで、すごく憧れがありました。

 

素子ママ:うちに来るお客様も、新宿で飲まれる方が多くて、ゴールデン街のお噂も聞いています。私も今度、行ってみようと思います。

 

コエヌマ:ぜひ、ご案内します!

 

 

美人ホステスとママが語る文芸評論家との思い出

 

素子ママ:あ、よければ女の子を一人呼びますね。エミュちゃん、ちょっと!

 

エミュ:はじめまして、エミュです。よろしくお願いします。

 

画面下がエミュさん。

コエヌマ:よろしくお願いします。エミュさんはどうしてザボンさんで働きはじめたんですか?

 

エミュ:お友達の紹介だったんですけど、文化人の方が多く来られるって聞いて、すごく勉強にもなるだろうなと。もともと本は読まないタイプだったんですけど、ここで働くようになってから、ものすごい量を読むようになりましたね。

 

素子ママ:エミュちゃんは、亡くなられた文芸評論家の坪内祐三さんの担当だったんですよ。

 

コエヌマ:そうなんですか!? どのくらい担当されていたんですか?

 

エミュ:ここ2、3年ですかね。1~2週間おきに同伴してくださって、いろいろなところに連れて行ってもらいました。奥様も交えて飲みに行ったり、相撲に連れて行ってくださったりしました。

 

素子ママ:私は坪内さんが20代のころから知っていたんです。雑誌の編集をなさっていたころからのお付き合いですね。

 

コエヌマ:坪内さんと言えば、映画にもなった『酒中日記』を読みましたが、お酒好きで、豪快というか、古き良き昔の文壇というイメージの方です。

 

素子ママ:最後の文士だと思うんです、昭和の慰労を残した文士って感じですよね。

 

コエヌマ:僕の知り合いも酒場でからまれたと言っていました(笑)。

 

素子ママ:昭和はそういう作家さんが多かったですが、坪内さんが最後じゃないですかね。色んなエピソードいっぱいありましたけどね、今は楽しい思い出です。私ともしょっちゅう喧嘩しましたよ。

 

コエヌマ:それはどんなことで?

 

素子ママ:ママはボケてきたから、晩節を汚さないためにももう店を辞めた方がいいよ、って仰ったので、ムカっと来て、「そっちだってボケてんじゃないの」って言って喧嘩したんですよ。いつもそんな感じで、喧嘩したり仲良くなったり……なんかもう兄弟みたいでした。

 

コエヌマ:すごく貴重な思い出ですね!

 

エミュ:では、私はここで。

 

コエヌマ:ありがとうございました!