下鴨納涼古本まつり 『夜は短し歩けよ乙女』の舞台にもなった夏の京都の風物詩

 

京都の古本屋さんの本気(マジ)あり〼

 

下鴨納涼古本まつりは京都古書研究会が運営をしています。そのメンバーは全員古本屋さんを営んでおられるのだとか。今回は京都古書研究会ならびに、其中堂の三浦了三さんにお話を伺いました。

 

 

—下鴨古本まつりを始められたきっかけを教えてください

 

多くの人に古本に親しみをもってもらおうと、初めは百万遍というお寺で開催しました。その後、下鴨神社さんから、うちでもやってみないかと誘っていただき、この糺ノ森で28年やっています。

 

 

-この下鴨納涼古本まつりは、来場者に対するたくさんの思いやりで溢れていますね。児童書の充実だったり、オリジナル団扇の配布であったり。

 

この古本市に来ておられるのは、昔からの古本のファンはもちろんですが、家族連れもたくさんいます。そういう方でも楽しんでもらえるよう、色々と工夫をしながらやっています。

 

いま古本市に来てくれているお子さんが、大人になって結婚して子どもができて、また家族でこの古本市に来てくれる……なんてことも。

 

「古本屋=しかめっ面をしたおじちゃんが、机の上に足あげて店番している」みたいな、アニメとかに出てくるイメージを払拭したいですね(笑)

 

 

-確かに!この古本市に出会うまでは、古本屋ってお堅いイメージがありました(笑)

 

店で営業しているだけではなくて、古本市みたいに表立ったこともやって、古本界を盛り上げたいと思い、運営スタッフ全員で頑張っています。

 

実は古本市の期間になると、普段営んでいる古本屋を休業日にして、店の全ての古本を市場に持って来て売っているお店もあるんです。祭りと言っていますが、本業よりもかなり本気(マジ)なんです(笑)

 

 

-古本屋さんの本気(マジ)があったからこそ、たくさんの人から愛される古本市へとなっていったのですね!三浦さん自身、普段は古本屋を営んでおられるとのことですが、古本に対してどのような思いがあるんですか?

 

時代に関わらず、様々な思いや考えに触れられることが古本の魅力だと思っています。例えば新刊では、いまの思いや考えを吸収することしかできません。一方で古本と触れ合うと、「あの時代にはこんな本が売れていたのだなあ」という時間軸だけでなく、「あの時は何千円としたのに、いまでは何百円に値下げされていた」と値段の変動までも感じることができます。

 

また、どんな本がどんな風に読まれてきたのか、風景も感じられます。我々が扱っているのは「むかし」売れた情報です。それが、あらゆる時代を通じていまここにある。そこに深い面白みを感じますね。

 

 

-実家が古本屋という三浦さんは、小さい頃から古本と親しまれてきたのですか?

 

正直、小さい頃は古本とそこまで親しんでいませんでした。実は、実家が古本屋であることに負い目を感じていたこともあったんですよ。負い目というか、関心がなかったというのが近いかな(笑)。

 

大学を卒業して22歳ぐらいから店を手伝い始めたんですけど、最初は全く面白みを感じられませんでした。「なにやってんやろう?」って毎日思ってましたね(笑)いまはとても面白みを感じながら古本屋をやっていますが。

 

 

-古本屋を面白いと思うようになったきっかけはあるのですか?

 

きっかけというか、時が経つにつれ、って感じですかね。店を手伝いだして数年経った時に、古本と触れ合っている時間を「とても幸せだなあ」と徐々に感じ始めたんです。

 

あと、自分で古本に価値がつけられるところが醍醐味に思えてきました。どれだけこの古本が今という時代に求められているのか、考えを元に自分で値付けをする。それが売れると、自分の考えた価値が認められた気がして、喜びになっていきました。

 

 

-古本屋さんのご主人にしか味わえない醍醐味ですね!この古本市は夏だけ行われているのでしょうか?

 

夏だけではなく、ワンシーズンに1回やっています。次回は秋です。名前も「秋の古本まつり」と変えて、10月30日から11月3日まで行っています。多くの人に来ていただきたいです。

 

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インタビューに答えてくださった三浦了三さん

 

 

夏の古本屋の本気(マジ)を見逃した方は、ぜひ秋の古本まつりに遊びに行ってみてくださいね。 詳しくはこちら

 

古書の森にはあなたにとってお宝の一冊あり〼

 

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古本の棚は、作者順には並んでいません。もしランダムに並ばれた本の中から自分の惹かれる一冊に出会えたのならそれは間違いなくお宝の一冊です。古本屋が本気(マジ)になる古本市でお宝の一冊に出会いませんか?(取材・文 サカモトアヤコ)