オンライン読書会に初心者が涙目で飛び込んだら見える景色が変わった話

新型コロナウイルスの影響で自宅待機を余儀なくされていた4~5月。こうも家にこもっていると、人と喋りたくなる。オンラインイベントが増えていくなか、読書会にもその取り組みが目立つようになっていた。

 

本が好きな私は、以前からその存在に惹かれていた。しかし、なかなか一歩を踏み出せずにいた。読書会への参加は、本の知識がない私にはふさわしくないと、勝手に思い込んでいたからだ。

 

でも画面越しならいけるのではないか……人と会わないことで生まれたさみしさが勇気に変わったそのとき、私は半ば勢いだけで参加を決めていた。そして新しい景色を知ることになる。

 

目次

彗星読書倶楽部を選んだ理由

 

今回参加したのは、Zoomというオンラインアプリを使用して行う、彗星読書倶楽部さんの読書会。江戸川乱歩の短編推理小説「D坂の殺人事件」を事前に読んで参加する課題型。時間は2時間。参加費は1000円。

 

『D坂の殺人事件(江戸川乱歩)』

ある9月の蒸し暑い晩、「私」と探偵の明智小五郎は、D坂にある喫茶店の向かいの古本屋で、店の女房の絞殺死体を発見する。犯行時に古本屋から逃亡した者はなく、犯人を目撃した学生の証言は曖昧で、警察の捜査は難航する。明智小五郎が解き明かした驚くべき真相とは?

 

私が彗星読書倶楽部さんを選んだ理由は大きくふたつ。

 

ひとつ目は、本の知識が不要なこと。

気軽に参加できそうな読書会はたくさんあるが、彗星読書倶楽部さんは「全く知識がない状態で読んだときの発見を重視する」と、知識がなくても良い理由が明確に説明されていた。話すのが苦手な人は聞くだけでも良い、読み切れなくても心配いらない、といった言葉も響いた。

 

ふたつ目は主催者がどんな人か分かること。ホームページによると、主催者の森大那(もりだいな)さんは20代男性。小説家、読書会プロデューサー。早稲田大学で文学や芸術を専門的に学んでいたそうで、本についての専門知識が豊富なことがうかがえる。また、過去にどんな内容の会を開催したかも知ることができたので、自分に合うのかどうかとても参考になった。

 

オンラインアプリを使用することについては、慣れていないので不安はあったが、事前に使用方法がメールで送られてきたし、会場に足を運ばないだけでも心理的ハードルはかなり下がる。

 

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