読書を通じて知らない世界を体験できる
猫町UGの“隊長”であるチアキさんは、元々フェティッシュやエロティシズムを愛好している。その世界を、読書会を通じて参加者にも体験してほしい、という思いから猫町UGを開催するようになった。
「新しいことをするには口実が必要じゃないですか。だから、これまでアングラに興味が無かった人にも、読書会を通じて体験してもらっているんです」 とチアキさん。
参加者の中には、44歳でニート、童貞という男性がいた。猫町倶楽部の常連だという彼も口を揃える。
「僕はこれまで本ばっかり読んできて、女性と付き合ったことが無ければ、遊び方も知らない。そういう僕らに対して、読書会という制度を通じて、リア充的な世界や楽しみを体験させてくれるのが猫町倶楽部なんです」
以前、読書会の後にクラブでイベントが開催された際、彼はDJを体験したという。これまでクラブに足を踏み入れたことなどもちろん皆無。これまで知らなかった世界を体験できたんです、と笑顔を見せる。
「猫町倶楽部の参加者で、アンダーグラウンドイベントに行く人はほとんどいないと思います。けれど自分の枠を超えたり、生活様式を踏み越えたりする経験は絶対に必要。そうすることで予期しないチャンスや偶然がやって来るし、生き方も変わるからです」
そう話すのは、猫町倶楽部の代表の山本多津也さんだ。参加者にUGの世界を覗いてもらう。あるいはUGの人たちに読書会を知ってもらう。すると趣味嗜好を超えて、年齢も職業もバラバラな人たちが集まる。新たなコミュニティが生まれ、人間関係が変わることで、生き方の変化にも繋がるという。
また、猫町倶楽部に参加するには、課題図書を読んでくることが義務付けられている。本は好きではないけれど、UGの世界を体験したいから無理やり読んできました、という方も大歓迎だと山本さん。それがきっかけで「本ってこんなに面白いんだ!」と感じてもらえるかもしれないからだ。
「課題本に合わせたファッションやパフォーマンスを取り入れているのも猫町倶楽部の特徴です。色んなジャンルと組み合わせて、本の楽しみ方をさらに広げていこう、というコンセプトですね。純粋な読書会をしている人たちからすると不純に思えるかもしれないけど、そんなことを言っているとさらに本を読む人が減っていく。本にはいろいろな楽しみ方があっていいと思うんです」
「本」「読書」を通じて、新たな世界に足を踏み入れる。猫町倶楽部は読書本来の楽しみ方に加え、新たな楽しみ方を提供している。皆様もぜひ、本を通じて新たな世界を覗いてみてはいかがだろう?
<猫町倶楽部 公式サイト>
http://www.nekomachi-club.com/
思い思いの仮面を着用している参加者たち
非日常の空間の中で本に対する感想が交わされる
この読書会をきっかけに、アングラに興味を持ったという参加者も
猫町UGの隊長を務めるチアキさん(中央)
参加者と交流する山口椿さん
各テーブルから選出されたベストドレッサーたち
参加者全員で記念撮影