生け花体験に行ったら楽しすぎた! 若き次期家元はあの探偵小説のモデル

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生け花は引き算の美学

 

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完成! と行きたいところだが、うーん、やればやるほど細かいところが気になってくる。どうしても隙間を埋めたくなってしまうのだ。

 

しかし増野さんいわく、空間を埋めるフラワーアレンジメントとは違って、生け花は“引き算の美学”。できるだけ少ない数の植物で、空間を作らなければならない。

 

「ここの花は、もう少し短くしてもいいかもしれません」

「後ろが少し寂しいので、ここの花をもう少しこちらへ寄せましょうか」

 

悩んでいる筆者を見て、増野さんはさりげなく救いの手を差し伸べてくれる。小説から印象を受けた、我が道を行くトンチンカンなキャラクターとはまるで違い、とても丁寧に教えてくれる。この時点ですっかり筆者は増野さんのファンになった。いけばな雪舟流には若い受講生が集まるらしいのだが、納得である。

 

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中腰になったり、遠くに花器を離したりしながら、植物の角度を調整すること1時間ちょっと。

 

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完成!!!

 

「うわああああああ!!! できたあああああああああ!!!!!!!」 と、テンション急上昇。花を生ける前は、まさかこんなにちゃんとした形になるとは思わなかった。歓喜の笑顔である。

 

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ピンクのバラの作品は編集長作。花を扱っている最中に茎を思いっきり折ってしまうというトラブルに見舞われながらの完成。剣山近くにある極端に短い黄色の花がそれである。

 

筆者と編集長の初の生け花、大成功。すっかり満足したところで、インタビューをさせていただいた。

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