――ところでこちらに女の子のキャラがいますが、二人はカップルなんですか?
一番太郎「コレは、ノン子。立正大学心理学部のキャラだよ。パパは最初、カップルのつもりでデザインしたらしいんだけど、ボクがモテはじめちゃったから、あわてて設定を変えたらしいよ。キャラって人気商売だからさ、彼女とかいるのバレると、炎上するんだよねーw
だから、今はビジネスパートナーって感じだね。ポスターとかで女の子キャラが必要な時にだけ手伝ってくれる、都合がいい女って感じ?
パパさん:ファンの方からの扱いが、ジャニーズとかアイドルのようになってきているんですよ。これは一番太郎にかぎらず、人気のあるご当地キャラには、そういう風潮があります。
――ジャニーズやアイドルのような扱い……すごいですね。では、「聖地巡礼」で大崎にくるファンの方も多いですか?
一番太郎:結構いるねー。商店会に『大崎一番家』っていう、ボクの名前がついたお店もあるしね。でも商店会は土日に休みのお店が多いから、あんまり来ないように呼びかけてるんだけど、最近は『本当に閉まってたw』って、シャッターの閉まった写真を撮って喜ぶファンがいたりするよ。
――一番太郎のファン層はどのような方々なんでしょうか?
一番太郎:女性が多いね。特に地方まで追っかけて来てくれるのは30代から50代くらいかな。
――え、追っかけがいるんですね!
一番太郎:ご当地キャラのファンにそういう世代が多いんだよね。もともと旅行が好きで、ある程度自由にあるお金がある人たちなんじゃないかな。
雰囲気としては、わりとジャニーズファンやバンギャ(バンド追っかけギャルの略)とかぶると思う。ご当地キャラだとツイッターで絡んでくれるし、イベントに来てくれればハグしたりもできるしね。
コミケ帰りは、ぜひ大崎駅でごはんを食べてください!
――今後、大崎発展のための目論見はありますか?
一番太郎「今定期的にやっているのは、コミケシーズンに『コミケ帰りのお客さんを大崎に呼び込もう!』って活動かな。
パパさん:コミケに行くには、大崎ルートと新橋ルートのふたつがあるんです。コミケ参加者が約100万人と言われているから、少なくとも半分の50万人が大崎を素通りしているはずなんですよ。
一番太郎:もう2、3年やってるけど、1回も成功したことがないけどね!
パパさん:そうなんです。ゴーストタウンと化してしまう大崎に少しでもコミケ帰りの人が降りて、飲み食いしてもらえるように、これからもがんばっていきたいです。
――大崎西口商店会のおすすめのお店はありますか?
パパさん:『誠華』っていう中華料理屋の味噌ラーメンはおすすめです。店主さんが味噌ラーメンという存在をずっと知らなかったらしくて、自分で勝手にレシピを想像しながら作ったラーメンだから、普通の味噌ラーメンとちょっと雰囲気が違うんですよ。
一番太郎:それからやっぱり大崎一番家だね!ここは、もともと普通のイタリア料理店だったんだけど、シェフが定年退職する時、本当は閉店するはずだったんだ。
でも、ボクのファンが熱心に通い詰めてくれたおかげで、オーナーが『残りの余生は一番太郎のために』と言って、改築して営業を続けてくれたんだ。
一番家のおすすめメニューは『大崎一番カレー』と『大崎一番パスタ』だね。ポルケッタ(洋風チャーシュー)とフルーツトマトを組み合わせて、大崎マークになってるんだ。大崎駅西口に来ることがあったらぜひ食べてみてね!
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一見、ネットで好き放題やっているかのように見える大崎一番太郎。しかし、その裏にはパパさんや商店会の人たちの「なんとかして大崎を盛り上げたい!」という強い想いがあり、営利目的ではないが様々な戦略性がひそんでいたのである。
そして、「ご当地キャラクター界」とは、外野が想像していたよりもはるかに奥深い世界であることも判明した。バタイユを形容に引き合いに出すのも、納得である。
取材後、一番太郎やパパさんらが出演する「マジ基地☆生放送」という生放送番組を観覧させていただいたのだが、こちらもかなりコミカル且つ豪華なゲストぞろいなので、記事を読んで興味を持った方はぜひともチェックしていただきたい。(取材&文 マナ・コノ)
大崎一番ブログ
http://blog.livedoor.jp/osaki1ban/
大崎西口商店会 公式HP
http://osakinishi.net/