【後編】適応障害で元不登校。会社は3ヶ月で退社 人気Webライター山口恵理香さん「書くことは生きること」

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月100本を生み出す企画術

 

――お金のお話にも触れさせてください。Webライターはどうしても、記事単価が安いというイメージがありますが、山口さんはどのように上げていったのですか?

 

ただ文章が上手いだけだと記事単価は上がりません。自分なりの、ここは大事にしたいっていう感覚や世界観があって、編集者が気づいて認めてくれれば、少しずつ単価は上がっていくのかなと。ただ、個性を押し付けすぎてしまうライターの方もいらっしゃると耳にしたので、そのバランスはすごく大事かなと思います。

 

 

――月の目標収入や、執筆する記事の本数も、計画に基づいて進めているのですか?

 

一応、メモ書き程度で出しています。ただ、お金のことを考えすぎると、「この記事を書いたらいくらになる」という感覚になって、文章が乱れてしまいます。それはよくないサイクルなので、月末か月初に(計画を)出したら、あまり考えないようにしています。

 

 

――月に100本単位で記事を書いてらっしゃるとのことですが、企画も山口さん自身が?

 

はい、基本的に自分から提案しています。編集者がそれを見て、採用・不採用を決めて、ゴーサインが出たものを執筆しています。

 

 

――企画を出し続けることは非常に大変かと思います。コツはあるのですか?

 

基本的に掛け算かなと思っています。例えば恋愛コラムだったら、片方の項目に「独身女子」とおいて、もう片方に「クリスマスの過ごし方」とか。その項目を変えていくと、ネタは広がっていきます。

 

くじけそうなとき、読者に勇気づけられた

 

――確かに……すごく実用的です。さて、今年7月に『不登校だった私が売れっ子Webライターになれた仕事術』を出版されました。読者からの反響はいかがでしょう?

 

読んでくださった方の声が連日のように届いていて、本当にありがたいです。くじけそうなときも結構あるんですけど、そんなときに読者の方がSNSに上げてくださった感想を目にして、今回の本を通して伝えたいことや気づいてほしいことが書いてあると、出版して本当に良かったなって思います。

 

印象に残っているのは、最初に届いたメッセージです。その方は適応障害で、仕事を辞められたばかりで。毎月の生活費も抑えていて、本も図書館で借りて読んでいたらしいんですけど、「この本だけはどうしても欲しくて、書店で買いました」と書いてくださいました。苦しい思いをしているのに、私の本を手に取って、買ってくれて、感想まで寄せてくれたことが嬉しかったですね。

 

 

――読者には、山口さんと同じような状況の方もいらっしゃるのでしょうか。

 

そうですね。私と同じ適応障害だったり、うつ病だったり。あとは、思うように生きられない、したいことが見つからない、お子さんが不登校、という方も多いです。私がこの本を一番届けたいのも、そういう風に大変な思いをしている方です。

 

辛いときって、すべてが嫌になってしまうと思うんですけど、この本を手に取っていただき、「がんばって生きてみよう」「生きているだけでいいんだ」と感じてもらえると嬉しいです。