【1/3】大島薫さん、著書「ボクらしく。」で本名から生い立ち、AV時代まで赤裸々告白

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本の表紙で胸を出した理由

 

―それは、どうしてでしょう?

 

ボクはよく「大島薫のアイコン化」って言っているのですが、ボクっていう存在自体が有名になることしか考えていないんです。タレントとして有名になるとか、女優として有名になるとか、そういうのがあるわけではないので。だから、未来のことを具体的に書くのがすごく難しかったです。

 

 

―ほかの章と違い、「未来」だけは小説の形式を取っていますよね。それは、フィクションという形が最適だったからでしょうか?

 

はい。書いても書いても直しが入るので、「もう書けません」ってなったんです。じゃあ小説みたいな形で、大島薫っていう架空の存在がどういう生活を送っているか書いたらいいんじゃないか、っていう意見を井戸さんにもらって、小説にしたんです。将来、何の分野で有名になるか分からなかったので、そこに関してはとりあえず想像で書いた感じですけど。

 

 

―ところで、先ほど言われた「大島薫のアイコン化」とは、どういったことなのでしょう?

 

ボクは何かを主張したいわけではなく、ボクっていう存在自体が主張になりたいと思っているんです。この本の表紙にもその意図が表れているというか。胸が出ているっていうことで、結構言われたり(物議を醸しだしたり)もしたんです。店頭に置かないっていう書店もあったり、何も考えずに並べてる書店もあったり。けれど、乳首が出てる男性の写真を使っている本はほかにもありますよね。ボクの本だけがダメな理由は何かって言ったら、女性に見えるっていうわけで。

 

でもそれは主観じゃないのか、っていうこととか。そもそも、何で男は胸を出しても良いのに、女はダメなんだっけ、って言うこととか。そういう問題が起きて、議論が巻き起こってもいいと思っているんです。ボクが主張しなくても、この表紙を見ただけでそういう考えに至る、っていう存在で常にあり続けたい。そういう意味のアイコン化ですね。

 

 

―なるほど、とてもよく理解できました。それと、「女装をしているけど女性になりたいわけではない」という大島さんからは、「女の格好をしているからあいつはオカマ」などという、記号化やカテゴライズへのアンチテーゼを感じます。

 

別に(カテゴライズは)あって良いとは思うんですけどね。大きく言えば男、女って括りもあるわけですし。それが無かったらトイレも一緒なの? って話で、分けないといけないこともいっぱいあるじゃないですか。

 

でも皆が臨機応変に、ケースバイケースで考えられたら一番いいのに、って思いますね。本当はカテゴライズできる人は一人もいなくて、個人個人で判断すべきなんです。体の構造上そうなっているだけで、男、女って括りもいらないといえばいらない。同じ性別でも考え方が全然違ったりすることもありますし。

 

けど、それを押し付けるのはまた違って。ボクの考えを伝えることは必要ですけど、「こうしないと絶対にいけない」とは言わないですね。(取材・文 コエヌマカズユキ)

 

その2へ続く

 

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