【2/3】『メンヘラ刑事』本田晴巳さん 決してメンヘラをバカにしているわけではないんです

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『メンヘラ刑事2』のクライマックスの舞台となった大阪駅地下街の噴水広場にて

 

 

※前回の記事はこちら

 

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2ちゃんねるの自殺板でも『メンヘラ刑事』が話題に

 

―まさにタイムリミットぎりぎりで、作家になるという夢が実現したのですね!

 

でも、「ソース」を出したのにオファーがどっからもなくて、これはあかん、何とかせな、と思って。とりあえずいろんなところにめちゃくちゃ応募しました。それで、「エブリスタ」っていう投稿サイトの「スマホ作家特区(※)」に『メンヘラ刑事』を応募したら、大賞をもらって、Discover21さんから書籍化されたんです。

 

※スマホ向け作品で作家として生計を立てていきたいクリエイターを“NEXTスマホ作家”として選び、半年総額1,000万円の育成費枠から生活を援助。作品制作に集中できる環境を提供する制度

 

 

―ご自身の辛い体験から『メンヘラ刑事』が生まれて、今や5万部のベストセラーに。まさに人生大逆転ですね

 

読んだ方がツイッターやブログとかで感想を書いてくださって、「泣いた」とか「私も頑張る」とか言われて、はぁ~~~って思って。

 

めっちゃ嬉しかったのが、2チャンネルで「今日死にます」って板があったんです。そこで、死にたいっていう子に、「『メンヘラ刑事』面白いから読んでみなよ」って勧めてる人がいて。そうしたら死にたいって子がすごい食いついて、「読むわ」って感じになってて。めっちゃ嬉しかったですね。

 

 

―講談社からコミカライズもされるなど、本当に人気作品となっています

 

実は2年くらい前に、講談社に漫画の原作を持ち込みに行ったんですよ。マンガの専門学校で特別講義みたいなのがあって、講談社の編集さんが来て、ネーム見ますよ、みたいな。一般参加もOKだったので、行ったんですよ。

 

でも、「これじゃダメだよ」って受け取ってもらえなくて。それなのに、講談社から出るとは思えへんかったー(笑)。

 

 

―そのときの編集者、土下座ものですね

 

そんなことないですよ! つまらなかったから、自分が悪いので、本当に。でもすごく勉強になりました、持ち込みに行って。

 

 

 批判や罵詈雑言を浴び、殺害予告までされました

 

―一方で、「メンヘラ」という言葉を使ったことで、批判はありませんでしたか?

 

やばかったですね。ツイッターで「死ね」って5~6回言われましたし、「殺す」とか「本屋で『メンヘラ刑事』が並んでる棚を燃やす」とかも言われました。

 

『メンヘラ刑事』が出てから1か月間、関西圏で電車広告出していただいたんです。目に触れる機会が多くなるにつれて、増えましたね。編集者に言われてやっていますが、本当はエゴサーチとかツイッターとかしたくないんですよ。ネガティブ意見とか見たらゲー吐くし。「死ね」って言われたときもゲー吐きましたからね。

 

 

―本田さん自身にも辛い過去や実体験がある、ということが知られていない分、批判も大きいのかもしれませんね……

 

「面白いからメンヘラって付けてるんだろ」「バカにするな」って意見があって。読んでもらったら(バカにしていないってことが)分かると思うんですけどね。

 

元々は「インサニティ~メンヘラ刑事 梅林寺凛々子~」っていうタイトルだったんですよ。でも編集さんに、「メンヘラ刑事」で行きましょうって言われて、「マジかー!?」って。絶対批判されるってわかるじゃないですか(苦笑)。だからめっちゃ覚悟してました。

 

 

―プレッシャーとの闘いでもあったのですね。

 

そのほかにも、いつ仕事がなくなるか分からない、っていうプレッシャーもありました。ミスチル(Mr.Children)の桜井(和寿)さんが、「今のアルバムが売れてるのは、前のアルバムが良かったから」って言ってたんですけど、いつも「これが最後かもしれない」って思って書いてるので、怖くて怖くて。

 

本が出るのは嬉しいですけど、一週間くらいゲーとおなか下るのが止まらないし、寝れないし……。

 

 

―メンヘラ刑事の中でも、すぐに吐く杉田君というキャラがいますが、それみたいですね(笑)

 

胃腸が弱いんです(笑)。『エブリスタ』に入賞したら、作家の石田衣良さんが教えてくれる小説教室に行けるんですよ。私、石田衣良さんがめっちゃ好きなんですね。その教室に行くとき、緊張しすぎて新幹線で三回吐きましたからね(笑)。(取材・文 コエヌマカズユキ)

 

その3へ続く