【後編】北大路翼×成宮アイコ 自分のルールで生きるのが表現者の矜持
※前編はコチラ
こみ上げる怒りとどう向き合うか
――お二人が言うように、コロナは生活様式の変化だけでなく、人の見えなかった部分も浮き彫りにした気がします。
北大路
自粛って自分で慎むということだからね。自粛しろってどんな言いぐさだよと思う。もうまともに人間関係を築けない。本当にしらけるよ。
成宮
確かに、「この人、他人に対してこんな言い方をする人だったのか」って浮き彫りになることは多かったです。
北大路
政府も無能すぎるよ。東京都なんか、いろはかるたで「手を洗いましょう」とかやってるし、バカにしてるだろって思うよね。
成宮
都民を3歳くらいだと思っているんでしょうね(苦笑)。
北大路
怒りを通り越して悲しくなる。次から次にああいう愚策を連発されると、こっちの心も死んでくるよね。だから、諦めないで怒り続けるっていうのが大事かもしれない。こないだラジオに出たとき、小池百合子の悪口言ったらカットされたけど(笑)。
成宮
同じ理由で、私は、感情的すぎない怒りを燃やし続けるっていうのを意識しているんです。一気に限界まで怒ると、また次にかるたみたいなのを出されたときに、「うわー……もう何を言っても無駄だ!」って消耗するじゃないですか。
北大路
でも、小出しにするのって意外と難しいから、できなくて全部抱えちゃってる人の方が多いかもしれない。それが自分に向いちゃうと、爆発しちゃったり、最悪の形になったり。僕はコロナ禍でスキンヘッドにしたんだけど、ちっちゃな抵抗というか、モジモジして何かやらなきゃって思ったんだよね。自分で自分を変化させていかないと、辛くなるよね。