【前編】31音にかける青春。文化版の甲子園「第12回全国高校生短歌大会」レポート

 

はたらけど

はたらけど猶わが生活楽にならざり

ぢっと手を見る

 

日々の喜びや悲しみをストレートに表現した歌人、石川啄木。彼の生誕120周年を記念し、2006年に始まった全国高校生短歌大会こと短歌甲子園が、今年も啄木の故郷・岩手県盛岡市で開催された。大会では、予選を通過した21校21チームが、8月18日から20日まで熱戦を繰り広げた。

 

短歌甲子園は、先鋒、中堅、大将の3人で戦う団体戦と、与えられた題の即詠(※即興で短歌を詠むこと)による個人戦が行われる。短歌は、1つの歌を1行で書くのが基本だが、この大会では、石川啄木が行った3行分かち書き(※3行に分けて書くこと)で歌を詠まなければいけない。

 

野球と同じ「甲子園」の名を冠するこの大会では、どのような熱戦が繰り広げられているのか。31音にかける高校生たちの夏を取材した。

 

目次

本戦前に、啄木のルーツを辿るツアー

 

大会初日、盛岡市渋民村の姫神ホールで、開会式及び2日目に行われる団体戦1次リーグの組み合わせ抽選会が行われた。開会式では、前年度優勝校・福岡女学院高校の重冨泉さんが「啄木の生まれ育ったこの地で、全国の短歌仲間と友情を育み、頑張っていきたい」と選手宣誓を行った。

 

開会式終了後、大会OB・OGによるガイドのもと、啄木のルーツを辿るツアーがスタート。一行が訪れたのは、石川啄木記念館、旧渋民尋常小学校、旧齋藤家、宝徳寺、渋民公園、盛岡城跡公園の6箇所。選手は、啄木の歌碑を眺めたり、旧渋民尋常小学校で代用教員を務めた彼のまねをしたりして、思いを馳せていた。

 

選手宣誓の様子

 

大会OB・OGによるガイドのもと、歌碑を眺める選手たち

 

旧渋民尋常小学校で啄木のまねをする選手

 

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