選考委員の柴田元幸氏は、翻訳家自身が賞を運営することで選出する作品に制約がなくなり、結果として様々な国の作品が集まることになったと分析し、「読者の方々に面白い作品を教えていただけたことをうれしく思います」とコメント。
選考委員による座談会では、岸本佐知子氏が「良質なブックガイドを得たよう」と述べ、惜しくも受賞に至らなかった他の翻訳作品の魅力を解説。読者からの推薦文が最も情熱的で印象深かった「ストーナー」のために読者賞が作られた経緯も語られた。
受賞作以外も要チェックの良質な作品群に、発起人の西崎氏は「5年、10年と続く賞にしたい」と意気込んだ。
第二回の開催も楽しみな日本翻訳大賞。会場では受賞作を買い求める観客で賑わい、盛り上がりをみせた授賞式となった。(取材・文 四畳半しけこ)