『月に吠える』×『月に吠えらんねえ』前橋文学館にて奇跡の共演が実現!

 

萩原朔太郎の第一詩集『月に吠える』。1917年に刊行された本詩集は、口語自由詩の確立を遂げたとも評価されており、近代詩史上で異彩を放つ存在だ。

 

この度迎えた刊行100年を記念し、前橋文学館にて、「詩集『月に吠える』100年記念展――ここからすべてが始まった」(以下『月に吠える』展)が7月22日より開催される。

 

詩集の内容、刊行の背景、受容の様相について理解を深め、現代にも影響を与え続けるその幻想的な世界を余すこと無く体感できるに違いない。

 

展示では、貴重な資料も公開される。風俗壊乱--すなわち社会的に不適切な詩と批判され、削除を余儀なくされた「愛憐」・「恋を恋する人」の2篇の詩が載った『月に吠える』の無削除本(神奈川近代文学館所蔵)をはじめ、原稿、書簡など関連資料が盛りだくさん。

 

また、アニメーションや実写映像といった、この展示のために作られた新作アートも登場。『月に吠える』所収の詩「猫」をイメージし、文学館の向かいにある朔太郎の生家の屋根に、猫のオブジェを設置するという大胆な試みも。立体的な詩体験を堪能したい。

 

そんな朔太郎のホームである前橋に、強力な援軍が訪れる。朔くん、白さん、犀といった□(詩歌句)街の住人たちだ。なんと今回、『月に吠える』展に先立ち、7月8日から『月に吠えらんねえ』展が開催されている。

 

 

『月に吠えらんねえ』はこれまでに、石川近代文学館、野田宇太郎文学資料館でもすでにコラボ展示を開催。前橋でも、Gallery Artsoupにて複製原画展が行われた。今回はついに、主人公・朔くんのイメージ源である萩原朔太郎にゆかりの深い、前橋文学館でのコラボ実現となる。

 

第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞も受賞し、注目度がぐんぐん高まる中での本イベント。作品の関連資料が多数展示されるという。さらに文学館前の名物・朔太郎像の横に、「朔くん像」も登場するというから撮影必須だ。

 

本展示の特別ゲストは朔くんたちだけではない。7月29日(土)には、陰陽師シリーズでおなじみの作家・夢枕獏先生が、萩原朔太郎をテーマに講演を行う。夢枕先生といえば、朔太郎の誌をモチーフにした『腐りゆく天使』を刊行している。どのような話が飛び出すのか注目だ。

 

9月には『月に吠えらんねえ』作者の清家雪子先生も来場予定。本展示開催の経緯や作品や文化庁メディア芸術祭のエピソードなど、様々なお話が聞けることを期待したい。

 

真夏の前橋にて、奇跡の共演がいよいよ始まる。(文・ささ山もも子)

 

展示情報

 

詩集『月に吠える』100年記念展――ここからすべてが始まった

展示期間:2017年7月22日(土)~10月9日(月)

時間:9時~17時

観覧料:一般300円、高校生以下無料

会場:前橋文学館 2階展示室

 

月に吠えらんねえ展

展示期間:7月8日(土)~10月9日(月)

時間:9時~17時

観覧料:無料

会場:前橋文学館3階 オープンギャラリー

 

※詳しくは前橋文学館のWEBサイトよりご確認ください